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妊娠高血圧症候群|診断と症状

前回に引き続き、妊娠高血圧症候群について解説していきたいと思います。

今回は、診断と症状について取り上げていきたいと思います。

 

妊娠高血圧症候群って何?

妊娠高血圧症候群についてもう一度解説したいと思います。

妊娠高血圧症候群は、以前「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
これは、妊娠により妊婦の体内に毒素が発生し、その毒素が妊婦に高血圧やたん白尿、浮腫(むくみ)などの症状を引き起こすと考えられていたためです。

妊娠をすると胎児のために母体の血液量はおよそ 1.5 倍に増えます。

正常な妊婦では血管は軟らかく広がり、血圧が上がらないような仕組みになっています。
しかし、妊娠高血圧症候群の妊婦ではなんらかの原因で血管を広げることが出来ないために血圧があがるのです。

最近ではさらに研究が進み、原因が解明されつつあります。
妊娠初期に胎盤が作られますが、その際にお母さんと赤ちゃんの間で酸素や栄養のやりとりを行う大事な血管が胎盤内にうまく作られないと、循環調節因子のバランスを崩し、妊婦に高血圧やたん白尿、胎児発育不全など妊娠高血圧症候群の症状を引き起こすことが解ってきたのです。

 

妊娠高血圧症候群の診断

病型分類
①妊娠高血圧腎症

妊娠 20 週以降に認められる高血圧+たん白尿を症状とします。
②妊娠高血圧
妊娠 20 週以降に高血圧のみを症状とします
③加重型妊娠高血圧腎症
高血圧、たん白尿、もしくは両方がもともとあって、妊娠 20 週以降にどちらかが増悪する場合に「加重型」となります。
④高血圧合併妊娠
高血圧が妊娠前あるいは妊娠 20 週までに存在し、加重型妊娠高血圧腎症を発症していない場合を指します。

 

妊娠高血圧症候群の定義・診断

妊娠 20 週以降、分娩後 12 週まで高血圧がみられる場合、または高血圧にたん白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないものをいいます。

血圧(6 時間以上の間隔をあけて 2 回以上測定)
収縮期血圧 〇軽症 140~159mmHg ●重症 160mmHg~
拡張期血圧 〇軽症 90~109mmHg ●重症 110mmHg~
・たん白尿(1 日分の尿の中に出てくる蛋白の量)
24 時間尿で 300mg/ 日以上のたん白尿検出
随時尿でたん白尿 / クレアチニン比が 0.27g/g・CRE 以上
※ 妊婦健診での尿たん白定性試験で、(++) 以上は要注意です。たん白尿で軽症・重症は問いません。
発症時期
早発型・・・34 週より前に発症した場合。一般に発症が早いほうが早期に血圧上昇、分娩となることが多く注意が必要です。
遅発型・・・34 週以降に発症した場合。

 

妊娠高血圧症候群の症状

妊娠高血圧症候群の症状の主なものは、定義にもあるように「高血圧」と「たん白尿」です。
しかし、いずれの症状もよほどの重症でなければ自覚症状に乏しく、自分では気がつかず病院で指摘されて始めて妊娠高血圧症候群と診断されることも少なくありません。

完全に妊娠高血圧症候群を治療で治すことは難しいですが、少しでも早くにその徴候を見つけ、しかるべき準備をすることが重要になります。

リスクを自分で把握しましょう

前述したリスクがある場合には、特に血圧管理に気をつけましょう。

定期的な健診を受けましょう

リスクがなく症状も無い場合には、妊婦健診時の血圧測定や尿たん白測定が重要になります。
妊婦健診で始めて妊娠高血圧症候群を指摘されることがあるからです。
ある程度の間隔をあけて妊婦健診を受診することを特に勧めます(妊娠 24 週になるまでは 4 週間毎、24 週以降 36 週までは 2 週間毎、36 週以降は 1 週間毎を目安にします)。
もちろん症状に併せて健診間隔は臨機応変に変更することが必要です。

自分の身体の変化を観察しましょう

妊娠中、お母さんの身体は劇的に変化をします。別の「いのち」がおなかの中にいるわけですから当然の出来事です。
食欲の変化や体重の変化はもちろん、倦怠感や腰の痛みなどの慢性的な症状が起こることがあります。
その中には異常とはいえず妊娠中多くの妊婦さんに現れる症状や、妊娠が終了しないと無くならない症状も多く含まれるため、産科医や助産師に症状を訴えても「妊娠のせいと言われるだろう」と我慢してしまうこともあるかもしれません。
確かに妊娠による生理的な変化なのか、異常な変化なのか見分けることは難しいことです。
しかし、重症妊娠高血圧症候群の中には、誰にでも起こるような症状から始まっているケースも多く認められます。

 

まとめ

日頃から自分の身体の変化に注意を払うようにしましょう。

そして迷うときや分からないときは医師や助産師に伝えて下さい。