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妊娠高血圧症候群|治療と注意点

前回に引き続き、妊娠高血圧症候群について解説していきたいと思います。

今回は、妊娠高血圧症候群の治療と注意点について取り上げていきたいと思います。

 

妊娠高血圧症候群って何?

妊娠高血圧症候群についてもう一度解説したいと思います。

妊娠高血圧症候群は、以前「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
これは、妊娠により妊婦の体内に毒素が発生し、その毒素が妊婦に高血圧やたん白尿、浮腫(むくみ)などの症状を引き起こすと考えられていたためです。

妊娠をすると胎児のために母体の血液量はおよそ 1.5 倍に増えます。
正常な妊婦では血管は軟らかく広がり、血圧が上がらないような仕組みになっています。
しかし、妊娠高血圧症候群の妊婦ではなんらかの原因で血管を広げることが出来ないために血圧があがるのです。

最近ではさらに研究が進み、原因が解明されつつあります。
妊娠初期に胎盤が作られますが、その際にお母さんと赤ちゃんの間で酸素や栄養のやりとりを行う大事な血管が胎盤内にうまく作られないと、循環調節因子のバランスを崩し、妊婦に高血圧やたん白尿、胎児発育不全など妊娠高血圧症候群の症状を引き起こすことが解ってきたのです。

 

妊娠高血圧症の治療

気になるのは、妊娠中はもちろん、出産後の影響だと思われます。

軽症妊娠高血圧症候群

・毎日の家庭血圧測定、体重測定を行います。

・通常より健診間隔を細かく産科を受診します。

・高血圧症状、浮腫(むくみ)、体重増加など妊婦の症状が強い場合や、赤ちゃんの発育が悪い場合などは入院管理となることがあります。

・分娩は基本的に通常と変わりませんが、場合によっては早めの分娩を試みることがあります。

重症妊娠高血圧症候群

・入院管理とし、血圧を下げる治療を行います。妊婦と児の元気さを評価しながら妊娠継続を試みますが、薬剤での治療は難しく最終的な治療は妊娠を終了させるしかありません。

・早産は出生後、児の発育発達に影響するため出来るだけ避けたいところですが、妊娠継続は母体の命に関わることもあり、やむを得ず人工早産とすることがあります。

 

出産後は症状が軽快することが多く、出産後 12 週までにはほとんどが妊娠前に戻ります。
しかし、妊娠高血圧症候群を発症した女性は、発症していない女性と比較し将来高血圧になるリスクが高いことが分かっています。
妊娠が終了しても、自分の血圧を把握し、食生活や体重の変化などに注意していくことが勧められます。

 

妊娠高血圧症候群の注意点

以下のような症状がある場合には気をつけましょう。

血圧の上昇
・高血圧症状がある場合(頭痛・視野の異常など)
・家庭血圧で収縮期(高い方)135mmHg 以上、拡張期(低い方)85mmHg 以上が多くなる
・もしくは、1 回でも収縮期 160mmHg 以上m拡張期 110mmHg 以上になる場合
体重の急激な増加
・週に500g~1kg以上体重が増加する場合
むくみの急激な悪化
・下肢のむくみ
下肢のむくみは多くの妊婦さんに認められる症状ですが、上半身、特に手や顔などがぱんぱんになることは多くありません。
尿の回数が少なくなるのも注意すべきサインです。
消化器症状
・胃部不快感、胸のつかえ感、上腹部痛など
妊娠高血圧症候群の重症化するサインである場合があります。
子宮の収縮、下腹部痛
・持続的な腹痛、持続して子宮が硬い
・切迫早産治療をしているのになかなか収縮が治まらない
切迫早産では、子宮は収縮したり緩んだりを繰り返すことが多いですが、見分けがつきにくいことがあります。
胎盤が早めに剥がれてしまう(常位胎盤早期剥離:じょういたいばんそうきはくり※)のサインである場合があります。
常位胎盤早期剥離は、どの妊婦さんにも起こり得る、妊婦と児の命に関わる恐ろしい病気です。
妊娠高血圧症候群で多く起こることが分かっています。

まとめ

妊娠中のいつ起こるか予測は困難ですが、病気について知っていれば、発見が早く予後が良くなるケースがあります。

また遠出をする際には必ず母子手帳を携帯したり、外出先での救急対応可能な産婦人科病院のチェックもしておくとより安心です。