多くの方がかかる病気「白内障」。
その中でも薬剤に起因して発症する白内障を「薬剤性白内障」と呼びます。
では薬剤性白内障は、どのような薬剤をきっかけにして起こるのでしょうか?
この記事では「薬剤性白内障」について分かりやすく解説します。
白内障とは
まず白内障とは「どのような病気か」についてご紹介します。
白内障とは、眼の中にある水晶体が加齢とともに白く濁って視力が低下してしまう病気です。水晶体は透明で楕円の形をしており、眼の中でレンズの役割を担う器官です。外からの光を集めてピントを合わせる機能を持っています。
本来、水晶体は透明で正常にはたらくわけですが、何らかの原因によって白く濁ってしまい、外からの光をうまく集めることができなくなる場合があります。
この状態を白内障と呼びます。
白内障は加齢が原因であることがほとんどですが、糖尿病などの病気や薬剤をきっかけに発症することもあります。
薬剤性白内障の原因
今回のテーマである薬剤をきっかけに起こる「薬剤性白内障」ですが、白内障を引き起こす可能性がある代表的な薬剤としてステロイド薬があげられます。
ステロイド薬とは副腎皮質ホルモンの一つで、身体の炎症を抑えたり、免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療薬として使われています。ただし、このステロイド薬ですが副作用も多い薬剤です。
そのステロイド薬の副作用の一つとしてあげられるのが白内障です。このステロイド薬を使用することで、白内障を発症する原因はいまだ明確になっていません。
ステロイド薬には内服薬、吸入薬、塗り薬、目薬などがありますが、白内障の原因になりやすいのは内服薬と吸入薬です。また使用するステロイドの量が多く、服用期間が長くなるほど白内障を発症するリスクが高くなる傾向があります。
ステロイド薬によって発症する白内障は病気の進行が早く、数ヶ月から1年程度で日常生活に支障が出るほど視力が低下することが特徴です。
そのため早期の治療が必要となります。
その他、ステロイド薬以外の薬剤性白内障には、緑内障の治療薬として使用される点眼液「ピロカルピン塩酸塩」などがあげられます。
以上、この記事では「薬剤性白内障」について特集しました。
ご紹介した内容が少しでもご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。