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糖尿病の治療薬、経口血糖降下薬について

  • 2020年11月13日
  • 2020年11月19日
  • 糖尿病

糖尿病の薬には、血糖降下薬(飲み薬と注射薬)とインスリン製剤(注射薬)があります。
血糖降下薬にはさまざまな種類があり、個々の患者さんの血糖値の状態、すい臓からのインスリンの分泌量、筋肉や肝臓のインスリンに対する反応性などを測定したり推定したりしながら選んでいきます。

今回は「糖尿病の治療薬、経口血糖降下薬について」について解説したいと思います。

 

糖尿病について

糖尿病とは、血糖を下げるインスリンのはたらきが不十分でないため、血糖値が高くなる病気です。
放置していると、いろいろな臓器に合併症が起こるリスクが高まります。

食事をすると血糖値が上がります。

上がった血糖値をさげてくれるのがインスリンというホルモンです。

糖尿病とは、このインスリンによる血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、高血糖になってしまう病気です。

 

経口血糖降下薬について

1型糖尿病の患者さんにはインスリン療法が必要ですが、2型糖尿病では、食事療法と運動療法で血糖コントロールが十分得られないときに、病態や高血糖状態に合わせて経口血糖降下薬や、注射としてインスリンあるいはGLP-1受容体作動薬を用います。

経口血糖降下薬には作用機序が異なるさまざまな種類があり、病態や合併症などに合わせて1剤もしくは2剤以上を併用します。

※インスリン製剤やGLP-1受容体作動薬と一緒に用いることもあります。

スルホニル尿素(SU)薬

すい臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させます。
β細胞にインスリンを作る能力が残っている患者さんに使用します。

速攻型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

SU薬と同じようにインスリン分泌を促進し血糖値を低下させますが、SU薬に比べて、血中への吸収と血中からの消失が速いため、効果が現れるまでの時間と効果が持続している時間が非常に短いのが特徴で、食後の高血糖を抑えます。
1日3回、食事の直前(5~10分以内)に服用します。

DPP-4阻害薬

食事をしたときに、腸管から分泌されインスリン分泌を刺激するインクレチンというホルモンの分解を抑制することにより、インスリン分泌を促進したり、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を抑制して血糖値を低下させます。

α-グルコシダーゼ阻害薬

食事から摂取した炭水化物の分解を抑えることにより、小腸からの糖の吸収を遅らせて、食後の高血糖を抑える薬です。
1日3回食事の直前に服用します。

チアゾリジン薬

脂肪細胞へ作用してインスリン抵抗性を改善して血糖を下げます。

ビグアナイド薬

肝臓での糖の新生や消化管からの糖の吸収を抑えるなど、すい臓以外に作用してインスリン分泌に関係なく血糖値を低下させます。
体重を増加させにくく、インスリンの分泌に関係しないことが知られています。

SGLT2阻害薬

腎臓で排出されるブドウ糖の再吸収を抑えて、尿に糖を多く出すことで血糖値を低下させます。

 

まとめ

糖尿病治療の目的は、血糖値を良好に保つことで、合併症の進展を防止し、健康な人と変わらない日常生活の質を維持する事です。
糖尿病治療の基本は、食事療法と運動療法です。
この食事療法と運動療法のみで十分な血糖コントロールが得られることもありますが、不十分な場合には薬物療法を行います。

今回は「糖尿病の治療薬について」について解説しました。

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