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鼠径ヘルニアを放置するとどうなる?わかりやすく解説!

太もものつけ根にあらわれた卵の大きさほどの「ふくらみ」。

それは鼠径ヘルニアの初期症状です。

ただし、このふくらみですが痛みもなく、押せば元に戻ります。「痛みもないし、押せば元に戻るので大丈夫だろう」と思われる方も多いかもしれませんが、お待ちください。

鼠径ヘルニアは放置しておくと命に危険が及ぶ場合もある病気です。

この記事では「鼠径ヘルニアを放置するとどうなるか」をテーマに鼠経ヘルニアという病気の危険性についてご紹介します。

鼠径ヘルニア(脱腸)は放置されがちの病気

鼠径ヘルニアは一般的に脱腸と呼ばれる病気です。

成人の鼠径ヘルニアにおいては、加齢とともに太もものつけ根の鼠径部の筋肉が衰え、お腹の膜を通じて腸が飛び出してしまう状態をさします。

その初期症状は、太もものつけ根の鼠径部にあらわれる「ふくらみ」。そのふくらみの大きさはピンポン玉や鶏の卵程度の大きさです。

このふくらみは初期においては柔らかく、上から手で押したり、身体を横にすることで引っ込み正常な状態に戻ることが多いです。そのため、「ふくらみ」という体の異変を感じて不安を抱くものの、痛みはない、日常生活に支障をきたさないことを理由に放置してしまう患者さんが多いです。

鼠径ヘルニア(脱腸)は手術でしか治療できない

太もものつけ根のふくらみが初期症状の成人鼠径ヘルニア(脱腸)ですが、この病気は放置しておくことで自然に治癒することはありません。

その治療についても、薬で治療する方法はなく、外科的処置の手術による治療が唯一の治療法です。

ヘルニアバンドなど外から皮膚を圧迫して脱腸を防ぐ道具もありますが、これらは一時的に鼠径ヘルニアの症状を抑えるもので対症療法でしかありません。ヘルニアバンドなどの道具を外すと、再び脱腸が起こる可能性があります。

むしろヘルニアバンドで圧迫にすることにより、皮膚のかぶれなど皮膚障害が起こる可能性があります。また無理やり外から内臓を圧迫する状態は身体にとってよい状態とはいえません。

鼠径ヘルニア(脱腸)を放置することの危険性は高い

初期症状では痛みはなく、日常生活にも支障をきたさない鼠径ヘルニア(脱腸)ですが、そのまま放置し続けると、太もものつけ根のふくらみは押しても引っ込まないことが増え、徐々に痛みがあらわれてきます。

さらに放置を続けると、その痛みはさらに強くなり、歩くのもつらくなるなど日常生活に支障をきたします。

ここまで鼠径ヘルニアの病気が進行すると、怖いのが「嵌頓(かんとん)」という状態が発生することです。

嵌頓とは、鼠径部のお腹の膜を通じて脱出した腸が戻らなくなる状態をさします。この嵌頓状態になると腸は脱出口で締め付けられ、腸の血流が途絶えます。その結果、腸は腐って(壊死して)穴が開きます。その結果、「腹膜炎」といった命に危険を及ぼす病気を発症します。

このように鼠径ヘルニア(脱腸)は、初期症状に痛みを伴わない、日常生活に支障をきたさないことから放置されがちな病気です。ただし鼠径ヘルニアを放置すると、嵌頓という命に危険が及ぶ状態を引きおこす可能性があります。

鼠径ヘルニアの疑いがある患者さんは放置せず、早期に医療機関を受診することが重要です。

 

以上、この記事では「鼠径ヘルニアを放置するとどうなるか」をテーマに鼠経ヘルニアという病気の危険性についてご紹介しました。

ご紹介した内容が少しでもご参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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