糖尿病は「検査の病気」と呼ばれ、治療を始めたら常に経過を観察することが大切です。
糖尿病は自覚症状が乏しいため、定期的に検査することによって、血糖コントロールの状態や合併症がおきていないかなどを知ることができます。
今回は「糖尿病の定期検査」について解説していきたいと思います。
糖尿病について
糖尿病とは、血糖を下げるインスリンのはたらきが不十分でないため、血糖値が高くなる病気です。
放置していると、いろいろな臓器に合併症が起こるリスクが高まります。
食事をすると血糖値が上がります。
上がった血糖値をさげてくれるのがインスリンというホルモンです。
糖尿病とは、このインスリンによる血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、高血糖になってしまう病気です。
糖尿病の診断基準について
初回の検査で以下の項目を検査します。
2.75gブドウ糖負荷試験で2時間血糖値200mg/dl以上
3.随時血糖値200mg/dl以上
4.HbA1c 6.5%以上
別日に再検査をして再び1~4のいずれかに該当すれば、糖尿病と診断されます。
血糖コントロールの指標はHbA1c
血糖コントロールの指標はHbA1cです。
合併症予防のための目標 7.0%未満
治療強化が困難な際の目標 8.0%未満
治療目標は、年齢、糖尿病にかかっている期間、臓器の障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定されます。
合併症予防と発見のための検査
眼の検査、尿検査、血液検査、血圧検査などを行いながら、上手に血糖コントロールができれば合併症を防ぐことができます。
・尿中アルブミン、尿蛋白、血清クレアチニンなどの腎機能検査(腎臓のチェック)
・腱反射、振動覚、神経伝達速度の検査(抹消神経障害のチェック)
・足の検査(足の壊疸のチェック・予防)
・血清脂質検査、血圧検査(動脈硬化危険因子のチェック)
・心電図、心エコー検査、胸部X線撮影(狭心症、心筋梗塞のチェック)
・脳のCT、脳のMRI検査(脳梗塞のチェック)
・GOT、GPT、γ‐GTPなどの肝機能検査(肝臓のチェック)
検査の中には通院時の定期検査だけでなく、自宅でも簡単にできるものもあります。
例えば、血糖測定器を用いる血糖自己測定や「一家に一台」といわれる血圧計を用いた血圧測定などがあります。
いずれも主治医や看護師と相談したうえで、効率的に行いましょう。
まとめ
冒頭でもお伝えしましたが、糖尿病は自覚症状が乏しいため、定期的に検査することによって、血糖コントロールの状態や合併症がおきていないかなどを知ることができます。
糖尿病の人もそうでない人も、日ごろから定期的に身体の状態をチェックしておくことは大事です。
今回は「糖尿病の定期検査」について解説しました。