生活習慣病の一つでもある「糖尿病」。
糖尿病の診断は、1~2ヶ月の血糖値の変動を反映したHbA1c値や空腹時や食後の血糖値などの検査値を組み合わせて診断します。
今回は「糖尿病の診断基準」について解説したいと思います。
糖尿病について
糖尿病とは、血糖を下げるインスリンのはたらきが不十分でないため、血糖値が高くなる病気です。
放置していると、いろいろな臓器に合併症が起こるリスクが高まります。
食事をすると血糖値が上がります。
上がった血糖値をさげてくれるのがインスリンというホルモンです。
糖尿病とは、このインスリンによる血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、高血糖になってしまう病気です。
糖尿病の診断基準について
初回の検査で以下の項目を検査します。
2.75gブドウ糖負荷試験で2時間血糖値200mg/dl以上
3.随時血糖値200mg/dl以上
4.HbA1c 6.5%以上
別日に再検査をして再び1~4のいずれかに該当すれば、糖尿病と診断されます。
HbA1cの特徴について
HbA1cとは、グルコースが赤血球内のヘモグロビンに結合したもので、1~2ヶ月の間における血糖値の平均値を示しています。
糖尿病は高血糖が続いている状態なので、HbA1cのように中長期的な血糖の状態を知ることのできる指標は、患者さんの状態をとらえるうえで非常に重要です。
ただし、HbA1cはグルコースとヘモグロビンが結合したものであるため、赤血球がどんどん壊れている場合(溶結性貧血を起こしている場合)では、糖尿病の状態を正しく反映しないので注意が必要です。
食後高血糖に注意!
健康な人であっても、食後の血糖値は食事前よりすこし高くなり、すぐに正常値まで低下します。
この食後血糖値の上昇の幅が通常よりも大きく跳ね上がり、なかなか低下しない状態のことを食後高血糖といいます。
食後高血糖がある人は糖尿病になる危険性が高く、また動脈硬化による合併症を起こしやすいことが分かってきています。
ただ、食後高血糖があっても空腹時血糖値には異常を示さない場合があるので、このタイプは健康診断では見つけることができません。
健康診断で空腹時血糖値は正常で、HbA1cがやや高いという場合には食後高血糖が隠れている可能性があります。
まとめ
糖尿病では、軽傷の場合には自覚症状はほとんどありません。
自覚症状は、ある程度病気が進行すると現れます。
少しでも症状を感じたら適切な検査を受けましょう。
今回は「糖尿病の診断基準」について解説しました。