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糖尿病ケトアシドーシス(DKA)について

  • 2020年10月28日
  • 2020年11月19日
  • 糖尿病

糖尿病ケトアシドーシス(DKA)とは、糖尿病における急性合併症の1つで、1型糖尿病の患者さんに多く見られます。

血糖値の上昇によって、アシドーシス(酸性血症)と脱水が同時に起こった状態のことです。

 

今回は「糖尿病ケトアシドーシス(DKA)」について解説していきたいと思います。

 

糖尿病について

糖尿病とは、血糖を下げるインスリンのはたらきが不十分でないため、血糖値が高くなる病気です。
放置していると、いろいろな臓器に合併症が起こるリスクが高まります。

食事をすると血糖値が上がります。

上がった血糖値をさげてくれるのがインスリンというホルモンです。

糖尿病とは、このインスリンによる血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、高血糖になってしまう病気です。

 

糖尿病の診断基準について

初回の検査で以下の項目を検査します。

1.空腹時血糖値126mg/dl以上
2.75gブドウ糖負荷試験で2時間血糖値200mg/dl以上
3.随時血糖値200mg/dl以上
4.HbA1c 6.5%以上

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別日に再検査をして再び1~4のいずれかに該当すれば、糖尿病と診断されます。

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糖尿病ケトアシドーシス(DKA)について

糖尿病ケトアシドーシス(DKA)とは極度のインスリン欠乏によって高血糖、高ケトン血症、アシドーシスをきたした状態のことを言います。

糖尿病ケトアシドーシスに陥ってしまうのはインスリンの作用が足りない時や食事(炭水化物)の摂取量が少ないとき、体内では脂肪がエネルギー源として使われ、その時に肝臓でケトン体という物質が作られ血液中に溜まってきます(ケトーシス)。

ケトン体は酸性なのでその量が増えると血液が酸性になります(アシドーシス)。

その状態を「ケトアシドーシス」といいます。

1型糖尿病の患者さんは、インスリン注射の中断や感染症の罹患によって、細胞にグルコースを取り込めなくなり、高血糖をきたします。

各組織や筋肉では、グルコースが足りなくなり、グルコースを作るようにはたらきます。

 

脂肪組織では、脂質をエネルギーとして利用しようと、脂肪組織を分解するため、ケトン体が生じます。

ケトン体は酸性であるため、過剰な産生により血液が酸性に傾き、ケトアシドーシスを引き起こします。

 

また、脂肪組織や筋肉では、糖新生によってもグルコースを補おうとはたらきます。

さらに、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの分解も起こるため、血糖値はますます上がり、血漿浸透圧も上昇します。

これにより、細胞中から血中に水分が移動し、脱水を引き起こします。

 

ソフトドリンクケトーシスについて

主に2型糖尿病の清涼飲料水多飲者に起こる糖尿病ケトーシスをソフトドリンクケトーシスといいます。

青年期の高度肥満男性に多く見られます。

 

高血糖状態が引き起こす口喝によって、清涼飲料水を多飲し、さらなる高血糖を引き起こすという悪循環から発症します。

 

まとめ

ケトアシドーシスの原因として多いのが、普段インスリン治療をしている患者さんがシックデイで食欲がないときに「何も食べないので血糖値はあがらないだろう」とインスリン注射を自己判断で中断してしまうことです。

決して自己判断はせず、かかりつけの医師に相談しましょう。

 

今回は「糖尿病ケトアシドーシス(DKA)」について解説しました。

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